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 2023年7月号
    セクハラ問題が生じた時の対応について

 こんなときどうする労務トラブル回避 QA 
 今月の相談 
セクハラ問題が生じた時の対応について

Q 女性社員の1人から、嫌がっているにもかかわらず、同僚の男性社員から執拗に交際を迫られて困っているとの相談がありました。男性社員への事実確認も取れたので、男性社員に対して配置転換を命じましたが、拒否されています。どのように対応したらよいでしょうか。
(K社、総務部)

A 相手の意に反して執拗に交際を迫る行為は、明らかにセクシャルハラスメント(以下、セクハラ)に該当します。このようにセクハラが起こった場合の会社の取るべき対応としては、まず迅速に事実確認を行うことです。
 被害者および加害者双方から事情を聞き、場合によっては同僚などの第三者への聴取も必要となることがあります。そのうえで、セクハラの事実が確認された場合、さらなる被害の拡大を防ぐためにも企業は被害者と加害者のそれぞれに適切な措置を講ずる必要があります。具体的には被害者に対しては精神面のサポート、加害者は引き離すための配置転換などが求められます。一方、加害者に対しては行為の程度に応じて、就業規則で定めた懲戒処分に該当する措置などの対応が必要となります。
 職場におけるセクハラが原因となって労働者が精神疾患を発症した部屋などには、加害者だけでなく、使用者も使用者責任(民法第715条)および安全配慮義務違反による債務不履行責任により損害賠償を請求されることもあり得ます(民法第415条)ので、適切な対応をしなければなりません。
 被害者および加害者への適切な措置の具体例として、まず「被害者と加害者の隔離(切り離し)」があります。セクハラの事実確認ができたからには被害の拡大を防ぐためにも、被害者が加害者と顔を合わせることがない環境にしなければなりません。そのためには、加害者または被害者のいずれかを他部署などに配置転換することを検討する必要があります。その際、被害者を配置転換の対象とするのは、本人がそれを希望する場合でない限り、セクハラの相談を行ったことなどを対象とした「不利益な取り扱い」ともなり得ますので、原則として行うべきではなく、対象者は加害者とすべきです。
 通常、正社員であれば、会社は広く人事異動として配置転換を命ずることが可能です。従業員は、正当な理由なくそれを拒否することはできず、それを拒む場合、業務命令違反として懲戒処分を行うことも可能です。
 ここでいう「正当な理由」とは、勤務地や職種限定で採用されている場合や、配置転換や転勤による従業員の不利益が大きい場合、業務上の必要性がないもの、不当な動機によるものなどです。
 なお、人事異動はあくまでも業務上の必要性が前提となります。今回のような不祥事を起こしたことを理由とした人事異動は「懲戒処分」の一つとなりますので、就業規則の懲戒処分規定に則った手続きに従う必要があります。
 今回のケースのように、加害者たる社員もその事実を認めているのであれば「配置転換の業務上の必要性」については、職場環境の維持等を理由に合理性が認められる可能性が高いといえます。
 したがって、セクハラに対する事の重要性を十分に認識させた上で配置転換の必要性を理解させるべきでしょう。それでも、配置転換命令を拒否する場合には、職場秩序維持のために普通解雇も含めた厳重な処分を検討すべきでしょう。

 今月のポイント 
セクハラの加害者は、会社の人事異動命令を正当な理由なしに拒否することはできない。
拒否する場合は業務命令違反となるため、就業規則の懲戒処分規定に則って懲戒処分を行うことが認められる。

 半数以上の企業が、正社員が不足していると回答 
人手不足に対する企業の動向調査

コロナ禍で収縮した経済活動が回復に向かうなか、懸念されているのが人材不足の加速です。人材不足は企業に「既存事業の運営への支障」や「技術・ノウハウの伝承の困難化」などの悪影響を及ぼします。帝国データバンクの調査から人手不足の現状を見ていきます。

帝国データバンクでは2006年5月より、雇用の過不足状況に関する調査を毎月実施しています。今回取り上げるのは2023年4月に実施されたもの。同月28日に政府の新型コロナウイルスの水際対策が終了し、5月8日には感染症法上の部類が5類感染症に移行されるなど、コロナ禍が収束に向かうなかで行われた調査結果です。
 まず、従業員の過不足状況について尋ねたところ、51.4%の企業が、正社員が「不足」していると答えました。例年4月は、新入社員の入社などの理由から不足していると感じる企業の割合が低下する傾向がありますが、前年同月比で5.5ポイント増加し、4月では過去最高の数値となりました。また、非正社員の「不足」も30.7%と、4月としては4年ぶりに3割超の水準まで上昇しています。
旅館・ホテルが業種別トップ
人手不足の割合を業種別で見ると、正社員においては「旅館・ホテル」が75.5%で最も高い結果となりました(下図参照)。月次ベースでは6カ月連続で業種別トップ。観光需要が回復し、訪日外国人も増加するなかで深刻な人手不足が続いているといえます。
 次に多かったのが「情報サービス」で、人手不足の割合は74.2%。矢野経済研究所の「国内企業のIT投資に関する調査(2022年)」によると国内民間企業のIT市場規模は今後も増加すると予測されており、技術者の人材不足は大きな課題となっています。「メンテナンス・警備・検査」(67.6%)は9カ月連続、「建設」(65.3%)は12カ月連続で6割を超える結果に。また、2024年4月からドライバーの時間外労働の上限規制が設けられることで、さらなる人材不足が懸念される「運輸・倉庫」も、63.1%と高い数値となっています。

非正社員の人手不足も深刻
一方、非正社員における業種別の人手不足の割合は「飲食店」が最も高く、85.2%と唯一8割を超えました。調査報告書では、飲食店はパ-ト・アルバイトなどを含む非正社員が就業者全体の7割以上を占めている特徴があるとしたうえで、就業者数がコロナ禍前の状況にまで回復していない状態が続いている、と述べています。正社員で業種別トップだった「旅館・ホテル」は非正社員でも「飲食店」に続いて高く、78.0%。その下に「飲食料品小売」(58.7%)が続き、特に小売・サービス業での人手不足が目立っています。
 今回の調査で、コロナ禍を脱して景気が回復に向かいつつあるなか、企業の人手不足感は高止まりの状態にあることがわかりました。今後、少子高齢化によって生産年齢人口はさらに減少します。調査では、そのような現状で企業が事業を発展させるためには、外国人労働者の雇用やDXなどによる合理化投資が必要だと結んでいます。

はたらく百景

”こまめな”水分補給が大事な理由とは

小暑(2023年は7月7日)を迎えると、暦のうえでは本格的な夏を迎えます。この季節に懸念されるのが熱中症です。厚生労働省によると、職場での熱中症により毎年約20人が亡くなり、約650人(2013~2022年の平均値)が4日以上仕事を休んでいるといいます。そこで、同省では毎年5月から9月まで「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施。特に7月を重点取組期間と定めて、作業開始前の健康状態の確認の徹底や、巡視頻度の増加などの対策を取るよう注意喚起を行っています。
 熱中症は予防が重要です。同省の「職場における熱中症予防対策マニュアル」(2021年)では、屋外などの高温多湿な作業場所には、冷房のある休憩室や日陰等の涼しい休憩場所を設けるよう提言しています。いずれも横になれる広さで、飲料水や冷たいおしぼり、シャワーなどを備えておくことを推奨。また、休憩時間の確保や暑熱順化(徐々に体を暑さに順応させること)など作業管理の重要性も説いています。
 熱中症予防でよく挙げられるのが水分補給です。人は汗をかいて体温調節をしますが、その汗の原料となるのが血液中の水分や塩分であり、1日に約1.2ℓの水分を飲料から摂取する必要があるといわれています。ただし、一度に飲むのはよくありません。胃腸に負担がかかるうえ、体は一定の水分量を保とうとして過剰な水分を排出してしまうからです。上手に水分を摂るにはコップ一杯の水を1日に7、8回、起床時や食事の時、入浴後など生活サイクルに合わせて飲むと良いとされています。また、脱水や熱中症の症状が出た時は塩分も不足していることが多いため、経口補水液(水に食塩とブドウ糖を溶かしたもの)を補給すると良いでしょう。

 マスク着用等、職場のルールの見直しも必要 
新型コロナ、5類への移行と企業対応

 新型コロナウイルス感染症は、これまで「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」に位置付けられていましたが、2023年5月8日から「5類感染症」に変更されました。ここでは、変更にあたって企業としてどのような対応が必要かをまとめます。

2類から5類への移行
新型コロナウイルス感染症が、2023年5月8日から「5類感染症」に移行されました。それにより、その対応が法律に基づき行政が様々な要請・関与をしていく仕組みから、個人の選択を尊重し、国民一人ひとりの自主的な取り組みを基本とする方針に転換されています。
 政府の示す具体的な変更点は下図の通りです。

企業としての対応
企業においては、5類移行に伴う取扱いの変更を踏まえ、これまでの職場のルールを見直していく必要があります。その一つが「マスクの着用」です。
 厚生労働省の事務連絡(2月10日発出、以下事務連絡)では、3月13日から、マスクの着用は個人の判断が基本となり、本人の意思に反してマスクの着脱を強いることがないよう配慮することと示されました。ただし、「事業者が感染対策上または事業用の理由等により、利用者又は従業員にマスクの着用を求めることは許容される」としています。
 したがって、職場においては従業員の意思に反してマスクの着脱を強いるようなことはできませんが、マスク着用が必要とされる場面などを含め、会社として基本的な方針を定めることは差し支えありません。
 検温や定期的な手指消毒、従業員のデスク間や会議室等におけるパーティションの設置を講じてきた職場も多くあります。
 検温や定期的な手指消毒は継続的に実施する企業も多いでしょうが、パーテーションの撤去、社員同士や取引先との会食や飲み会の解禁などについても見直しが必要となります。

体調不良者への対応
新型コロナに感染した従業員から体調不良で休みの申し出があった場合には、従業員の選択により年次有給休暇の取得または欠勤扱いとすることに問題はありませんが、就業規則の定めに則った対応が必要となります。
 また、感染が疑われる体調不良者や、感染者でも症状が軽度で出勤を希望する従業員、濃厚接触者への対応をどうするかを検討する必要もあります。
 企業には安全配慮義務があることを踏まえると、体調不良者で感染が疑われる場合や濃厚接触者である場合には、本人の就業希望の有無を問わずテレワークを命ずる、または休業させるなど出社以外の対応の検討も必要となります。なお、5類への移行により就業を禁止するときは、労働基準法に基づき休業手当(平均賃金の6割以上)を支払う必要があります。

 「令和5年度 労働行政運用方針」の概要 
「地方労働行政運営方針」にみる重点課題

 2023年4月、厚生労働省により「地方労働行政運営方針」が策定・発表されました。今年度の労働行政の重点課題として、労働者の賃上げ支援、個人の主体的なキャリア形成の促進、多様な働き方の選択を支える環境整備への取り組みなどが挙げられています。

「地方労働行政運営方針」とは、労働行政を運営する上での重点課題を示したものです。毎年度春に、厚生労働省により策定・公表されます。各都道府県労働局は、この運営方針に基づいて、各局内の管内事情に沿って、重点課題・対応方針などを盛り込んだ行政運営方針を策定し、計画的に運用することが求められています。
 企業において、その年の労働行政がどのような課題を重視し、調査や監督指導などに取り組むのかを把握することは、適切な労務管理を行う上で欠かすことはできません。ここでは、2023(令和5)年度の行政運営方針のポイントをお伝えします。

最低賃金・賃金の引き上げ
最低賃金については、早期に全国加重平均が1000円以上となることを目指して、地方最低賃金審議会の円滑な運営を図るとともに、問題があるとされる業種などを重点的に監督指導するとしています。賃金の引上げについては、中小企業や小規模事業者に対し、賃上げしやすい環境整備にこれまで以上に取り組むとしています。
 また賃金の支払い方法について、デジタル払いの普及や送金サービスの多様化に応じた対応を可能とするため、「資金移動業者の口座への賃金支払」に関する周知や指導を行うとしています。

個人の主体的なキャリア形成
産業構造が変化するなか、個人の状況に応じて自主的にキャリアを形成した上で、その能力を発揮させるための環境整備が重要となっています。その対応として、①地域のニーズに対応した職業訓練コースの実施等の促進、②キャリア形成・学び直しへの支援、③デジタル分野に係る公的職業訓練の活用促進・再就職支援、④雇用維持に係る助成金の活用や在籍型出向などの取り組みに対する支援など、「人への投資」に関する事項が記されています。
円滑な労働移動
 人手不足の問題が顕在化するなか、円滑な労働移動を可能とする環境整備として、労働市場の強化と見える化が重要となります。就業に必要な情報取得の情報としては、職業情報提供サイト「job tag」を整備し、必要な職業能力など情報の範囲を広げるとしています。
 また、「生涯を通じたキャリア・プランニング」および「職業能力証明」の機能を担うツールである「ジョブ・カード」の活用を強化するとともに、ウェブサイト「マイジョブ・カード」の積極的な周知や普及促進を図るとしています。
 また、労働移動に伴う経済的なリスクを最小化するために、労働移動支援助成金をはじめとした各種助成金の周知・広報を実施するとしています。さらには、個々人に応じて、きめ細やかなキャリアサポート・就職支援を継続するために、ハローワークにおいて、オンラインによる対応、情報発信などの求人者サービスの向上を図ります。
多様な人材の活躍促進
 少子化や子育て支援の課題においては、女性の活躍推進や仕事と育児・介護の両立支援、柔軟な働き方の推進に取り組み、誰もが働きやすい環境の整備が必要となっています。
 また、さらなる女性の活躍推進のためにも、常時雇用する労働者数301人以上の事業主に義務付けられた男女の賃金差異に係る情報公表等を確実に履行するとしています。そして、男女の賃金差異の要因分析や雇用管理改善への取り組みを推奨し、企業に対して個別支援を行い、ウェブサイト「女性の活躍推進企業データベース」の利用
促進を図ります。他にも「マザーズハローワーク」などによる子育て中の女性への就職支援や、特別休暇制度の導入などによる不妊治療と仕事との両立支援を実施するとしています。
 男性が育児休業を取得しやすくするためにも「産後パパ育休(出生時育児休業)」を含め、育児・介護休業法に基づく両立支援制度の周知徹底を図り、不利益取扱いが疑われる場合には、事業主に対して積極的な報告徴収・是正指導等を行うとしています。
 雇用形態にかかわらず、公正な待遇を確保するために、パートタイム・有期雇用労働法および労働者派遣法に基づく報告徴収や指導監督などを実施し、企業の自主的な取り組みを促して、遵守徹底を図る予定です。また非正規雇用労働者に対し、正社員化や処遇改善を行う事業主には、キャリアアップ助成金による支援が行われます。さらに無期転換ルールについては、2024年4月に省令改正等が施行されることを受け、円滑な運用を行うように周知・啓発を図るとしています。
多様なニーズへの就職支援
 少子高齢化による急速な人口の減少に対しては、70歳までの就業機会確保に向けた環境整備を行うため、65歳を超える定年引き上げや継続雇用制度の導入に向けた意識啓発を図るとしています。60~64歳の高年齢労働者の処遇改善を行う企業や、高年齢者の特性に配慮した安全衛生対策を行う企業に対して、助成金などの支援を行うとしています。
 障害者の就労に関しては、ハローワークに専門の担当者を置くなど、多様な障害特性に対応した就労支援を行い、採用の準備段階から採用後の職場定着まで、一貫した支援を行うこととしています。また、障害者の法定雇用率が2024年4月から
2.5%、2026年7月から2.7%と段階的に引上げられる予定を受けて、企業に対し、業務の選定など障害者の雇入れ支援を行うとしています。
 その他、新規学卒者、フリーター等、就職氷河期世代、外国人に対して、就職など支援体制の整備が行われます。
誰もが働きやすい環境の整備
 ウィズコロナ・ポストコロナの新しい働き方として、テレワークなどの情報通信技術を利用した働き方をしやすくする環境整備が求められています。適正な労務管理のもとで良質なテレワークの導入・定着を促進するため、テレワーク相談センターと連携を図り、ガイドラインや助成金の活用を周知するとしています。
 フリーランスに関しても、発注者との契約トラブルなどに対応した相談支援窓口を設け、取引適正化のための法制度など、安心して働くことのできる環境の整備に取り組むとしています。
 また、副業・兼業を推進する企業などへの支援を行い、労働者自身が労働時間や健康状態を管理できるアプリ「マルチジョブ健康管理ツール」の周知や、ガイドラインを設けるなど、希望に応じて幅広く副業・兼業を行うことのできる環境を整備するとしています。
 さらに、多様な働き方が広まるなかですべての労働者が安全で健康に働くことができるように、長時間労働の是正、労働災害防止対策や総合的なハラスメント対策、メンタルヘルスや過重労働対策を推進するとしています。
 特に、時間外労働の上限規制の適用が猶予されている医師、自動車運転者、建設業などの事業・業種に関しては、2024年4月に施行される上限規制適用に向けて、労働時間短縮に取り組むための助成金や相談窓口設置などの支援が行われます。
 また、労働契約時の労働条件明示事項における就業場所・業務の変更の範囲の追加や、裁量労働制における改正事項についても、周知・啓発が行われるため、留意しましょう。

労務 News BOX

施行後、半年間で34法人が誕生
労働者協同組合の設立状況

 2022年10月1日に施行された「労働者協同組合法」に関連し、厚生労働省は半年が経過した今年の4月1日時点で18都道府県計34法人の労働者協同組合が設立されたことを発表しました(同省が把握しているものに限る)。労働者協同組合は労働者が組合員として出資し、その意見を反映して、自らその事業に従事することを基本原理とする組織で、多様な働き方をしながら地域の課題に取り組むための選択肢の一つとして期待されています。設立された組合では葬祭業や成年後見支援、高齢者介護など様々な事業が行われています。

述べ1000社以上の企業が利用
障害者雇用ビジネスの実態を調査

 厚生労働省は障害者雇用ビジネスの実態を調査し、その結果を「いわゆる障害者雇用ビジネスに係る実態把握の取組について」としてまとめました。障害者雇用ビジネスとは障害者の就業場所となる施設・設備(農園、サテライトオフィス等)および障害者の業務の提供等を行う事業のこと。2023年3月末時点で23事業者が営業し、125カ所の就業場所を述べ1000社以上が利用しています。同ビジネスは法定雇用率の達成などを目的とした代行ビジネスともいわれており、今回の報告では事例と懸念される課題、対応策が記されています。

企業の動向や施策を取りまとめ
中小企業白書・小規模企業白書を公表

 中小企業庁は、2023年度の「中小企業白書」(「令和4年度中小企業の動向」および「令和5年度中小企業施策」)と「小規模企業白書」(「令和4年度小規模企業の動向」および「令和5年度小規模企業施策」)を公表しました。中小企業・小規模事業者の動向に加えて、企業が変革の好機を捉えて成長を遂げるために必要な取り組みなどを、事例を交えて分析。激変する時代を乗り越えるには、価格転嫁に加えて、GXなどの構造変化も視野に入れた投資の拡大に取り組み、生産性の向上や賃上げを促進することが重要だと指摘しています。

経団連と大学のトップが議論
「人への投資」における報告書を公表

 一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)と国公私立大学の代表者から成る「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は、「産学協働で取り組む人材育成としての『人への投資』」と題した2022年度の報告書を公表しました。同協議会は、社会に付加価値をもたらすことのできる人材の育成を目的に、経団連と大学の代表者が対話をする場として2019年に設置されたもの。報告書では「採用・インターンシップ」が「産学連携によるリカレント教育の推進」などにおける2022年度の活動状況や、今後の課題などについてまとめられています。

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