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2023年1月号 休職期間満了時に復職できない

 こんなときどうする労務トラブル回避 QA 
 今月の相談 
休職期間満了時に復職できない場合の対応について

Q 現在、私傷病で休職中の従業員がいます。休職期間は就業規則上6カ月であり、まもなく休職期間満了となりますが、復職が難しいようです。この場合は、休職期間満了と同時に退職させることはできるのでしょうか。それとも休職期間を延長させるべきでしょうか。 (M社)

A休職とは、雇用する労働者が業務以外の病気などにより、療養のために働くことができない場合に、一定期間会社に在籍したまま休むことができる制度です。この休職制度に法的な義務はなく、制度を設けるかどうかは会社の判断によります。したがって、就業規則上の労働条件として休職制度を設けていない場合は、私傷病のために療養をする労働者は会社との労働契約上の労務提供義務を履行できないことになるので、解雇となるか自己都合退職するかのいずれかとなります。
 しかし、休職制度を設けている場合には、それが労働契約の労働条件の一つになり、休職事由および休職条件に基づき休職制度を適用することが義務付けられます。休職制度が適用される間は、従業員としての地位を継続し、社会保険の被保険者となっている場合にはその資格が継続され、療養のための医療機関においても健康保険証を使用することができます。
 休職制度を設ける場合の休職期間の定め方も、会社の判断によります。私傷病休職を事由とする休職期間を定める場合には、過去の勤続貢献などを勘案して勤続年数に応じて「3カ月」「1年」「1年6カ月」などと定めていることが多く、入社1年以内の場合は適用除外とする企業もあります。
 問題となるのは、今回のご相談のように、休職した労働者が休職期間満了時まで職場復帰(復職)できないときの対応です。休職期間が満了しても復職できなければ、法的には労働契約の終了となります。労働契約の終了には「解雇」と「(自己都合)退職」があります。どちらになるかは、休職制度を定めた就業規則の規定に基づきます。
 休職に係る就業規則の定め方には、休職期間が満了しても復職できない場合には「退職とする」「自然退職とする」「自動的に退職とする」「解雇とする」などがあります。「退職とする」は、自己都合退職ではありませんが、本人の都合で労務が提供できなくなったと解釈されることから、自己都合退職とみなされるのが一般的です。
 「自然退職」「自動的に退職する」とは、労働者が労働契約上の労務を提供することができなくなったとの解釈による労働契約の終了ですので、自動的に労働契約が終了し退職扱いとするものです。以上はいずれも解雇ではないので、解雇予告または解雇予告手当の支払いは不要です。ただし、本人が先々の復職を希望しているにもかかわらず、会社側が本人の復職申し出を拒否して退職となった場合には争いが生じる可能性があります。したがって、トラブルを回避するには、書面で休職期間満了と同時に退職となる旨をあらかじめ通知しておくなどの対応が必要です。また、過去に休職延長措置を講じている他の労働者がいるなどの実態がある場合は、自然退職も無効となる可能性もありますので注意しなければなりません。
 就業規則に「休職期間満了後、復職できない者は解雇する」と定めていれば、基本的には解雇が可能ですが、労働基準法第20条に基づき30日以上前の解雇予告または解雇予告手当の支払いが必要となります(昭27.7.25.基収第1628号)。また、この場合も解雇が有効とみなされるには、復職可能となる「治癒」までの見込み期間に相当程度の期間が必要となることで、他の軽易な業務への配置転換が不可などの合理的な理由が必要となる場合もあります。

 今月のポイント 
休職期間が満了しても復職できなければ、法的には労働契約の終了となるため、「解雇」または「退職とする」ことができる。トラブル回避のために、休職期間満了と同時に退職となる旨をあらかじめ書面で通知しておくとよい。

 法令 
 2023年4月1日以降の中小企業の残業代が増える
月60時間超え残業代対策と代替休暇の活用

2023年4月以降、中小企業も1カ月60時間を超える法定時間外労働において、残業代に対して「50%以上」の割増率が適用されます。残業代の抑制策として「代替休暇」制度の導入も検討しなければなりません。

労働基準法では、「1週40時間、1日8時間(休憩時間を除く)」を法定労働時間とし、さらに週1日の法定休日を定めています。そして、法定労働時間を超える労働および法定休日労働をさせる場合には、「時間外及び休日労働に関する協定」(36協定)を締結し、所轄労働基準監督署長に届出て、かつ、割増賃金を支払わなければなりません。
 割増賃金は、法定労働時間を超える時間外労働には25%以上、深夜労働にはさらに25%以上、法定休日労働には35%以上の割増率で計算しなければなりません。
 2010年4月1日以降、1カ月で60時間を超える時間外労働をさせた場合、その超えた分については割増率が50%以上となっています。しかし、中小企業に対しては、1カ月60時間超えの時間外労働に係る割増率については猶予措置が適用され、25%以上に据え置かれていました。2023年4月からはこの猶予措置が廃止され、中小企業でも「1カ月60時間を超える労働」に係る割増賃金率が50%以上になります。その結果、時間外労働に係る割増率は図表1のようになります。
 なお、「月60時間を超える時間外労働」を計算する場合、法定休日労働に係る労働時間は計算に含めません。

●増える残業代
これにより、例えば「週40時間、1日8時間労働制」の会社において、時給換算2,000円の労働者が月80時間の時間外労働を行った場合の残業代は次のようになります。
〈60時間以下の残業部分〉
①60日間×2,000円×1.25
  =150,000円
〈60時間超え残業部分〉
②2,000円×1.5×(80時間-60時間=20時間)=60,000円
残業代計(①+②)=210,000円
  また、60時間超え残業の20時間分のうち深夜労働(22時~5時)
10時間あったとすると、深夜労働部分に関する割増率は
(1.50+0.25=1.75倍)となり、次のようになります。
 ③④を除く60時間超え残業(10時間)
  残業(10時間)
  2,000円×1.5×10時間
  =30,000円
 ④深夜労働部分(10時間)
  2,000円×1.75×10時間
  =35,000円
  合計(①+③+④)=215,000円

●割増率引き上げへの対応策
時間外労働に係る割増率の引き上げに伴い、これまで通りの残業状態に変化がなければ、人件費が増大し、経営に大きな影響を及ぼします。したがって、これまで以上に労働時間および時間外労働の適正な管理が必要となります。また、仕事のやり方などを見直し、無駄な時間外労働の削減や、労働生産性を高めるべく業務の効率化を図るなどの検討が必要となります。
 残業の多い部署や残業の多い労働者について、その原因を調査するなどにより、業務量が適正か否か、仕事が属人化しすぎて業務の配分・共有がなされていないのではないかなどの見直しも必要です。また、残業の多い部署については、業務量に対して適正な人員かどうか、増員にかかる人件費と該当部署の残業代とでどちらの負担が大きいかを比較検討すべきです。

●代替休暇の活用
代替休暇とは、月60時間を超える部分の時間外労働について、50%以上の割増賃金の支払いの代わりに有給休暇を与える制度(労働基準法37条3項)です。36協定がある場合でも、時間外労働の原則は、月45時間であり、それを超えた長時間労働となる時間外労働については、労使間で特別条項付き36協定を締結しなければなりません。この特別条項付き36協定に基づき月60時間を超える長時間労働を行った場合に、割増賃金の代わりにこの代替休暇を与えることは、労働者の健康に配慮したことにもなり、同時に残業代を抑制することもできます。なお、代替休暇は、あくまでも通常の割増賃金との差額の支払いを有休休暇を与えることによって免除する制度です。代替休暇を与える場合でも、60時間を超える時間外労働部分については通常の時間外労働に対して支払われる25%以上の割増率による割増賃金は支払わなければなりません(図表2参照)。また、60時間を超える時間外労働について代替休暇を取得するか、または割増賃金の支払いを受けるかは、労働者の選択によります。
 代替休暇の仕組みは、60時間を超える時間外労働の時間数に応じて図のように換算率を用いて計算します。換算率とは、「代替休暇を取得しなかった場合に支払うこととされている割増賃金率」と「代替休暇を取得した場合に支払うこととされている割増賃金率」の差を指します。
 図表2の例のように月80時間の時間外労働の場合、60時間超えの20時間分のうち5時間分を代替休暇とすることができます。
 制度を導入するには、労使協定を締結し、①代替休暇として付与できる時間数の算定方法、②代替休暇の単位(半日または1日)、③代替休暇を付与できる期間、④代替休暇の取得日の決定方法、⑤割増賃金の支払日について定めなければなりません。また、代替休暇制度は、労働者の休息の確保を目的としているため、60時間を超えた月の末日の翌日から2か月以内に与えなければなりません。2か月の取得期間内に代替休暇を取得できない場合には、取得できないことが確定した賃金計算期間に対応する賃金支払日に、相応する割増賃金を支払わなければなりません。

労務 News BOX

4社に1社が「1年以内に被害」
企業へのサイバー攻撃の実態とは

 中小企業を標的としたサイバー攻撃の脅威が拡大していることを受けて、帝国データバンクは10月に「サイバー攻撃に関する実態アンケート」を実施。24.2%の企業がサイバー攻撃を「1年以内に受けた」と回答しました(「1か月以内に受けた」企業8.6%と「1カ月超から1年以内に受けた」企業15.6%の合計)。サイバー攻撃を受けた際の支出額については、「0円(サイバー攻撃を受けたが支出はない)」が77.9%で最も高く、次いで「100万円未満」が15.1%と報告されています。

2022年度新入社員の意識を調査
理想の上司は「丁寧に指導する人」

 一般社団法人日本能率協会は、「2022年度新入社員意識調査」の結果を発表。理想の上司・先輩について尋ねたところ(3つ選択)、「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」(71.7%)が最も高い結果となりました。一方、2012年度調査と比べて「仕事の結果に対する情熱を持っている上司・先輩」(34.1%→9.5%)、「場合によっては叱ってくれる上司・先輩」(33.7%→17.6%)が大きく低下。仕事の不安について(3つ選択)は「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」が1位でした。

趣味や学習に当てる時間が増加
テレワークで生活はどう変化したか

 総務省統計局が公表した「令和3年社会生活基本調査」で、初めてテレワーク(在宅勤務)による「1日の生活時間の配分」の変化が調査されました。その結果、25~34歳、35~44歳、45~54歳のいずれの年齢層においてもテレワークをしていた人の方が、していなかった人に比べて通勤時間が短く、趣味・娯楽や学習・自己啓発にかける時間が長くなったことがわかりました。また、25~34歳、45~54歳は睡眠時間、35~44歳は育児時間が最も長くなったと答えています。

コロナ禍前よりもわずかながらも上昇
日本の労働生産性の動向を公表

 公益財団法人日本生産性本部が公表した「日本の労働生産性の動向2022」によると、2021年度の日本の時間当たりの名目労働生産性(就業1時間当たり付加価値額)は4950円でした。経済活動の正常化を背景にコロナ禍前の水準をわずかに上回り、1995年度以降では最も高い額です。また、1人当たりの名目労働生産性(就業者1人当たり付加価値額)は808万円で上昇率は実質ベースで前年度比2.2%増。前年度の上昇率(-3.7%)から5.9ポイント改善し、1996年以降で最大の改善幅でした。

働きやすい環境づくりを促進
高年齢者の活躍事例を募集

 厚生労働省と独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構は共催で「令和5年度 高年齢者活躍企業コンテスト」を実施します。これは高年齢者が生き生きと働ける職場等にするための創意工夫の事例を募集するもので、優秀企業の改善事例や具体的な働き方を社会に周知することによって、高年齢者の雇用・就業機会の確保、働きやすい環境づくりの普及・推進を図ります。応募期限は2023年2月28日まで(当日消印有効)。特に優れた事例は2023年10月に表彰を行う予定です。

目指すは賃金上昇の好サイクル
雇用・労働の政策パッケージを策定

 厚生労働省は、意欲と能力に応じた「多様な働き方」を可能にし、「賃金上昇」の好循環を実現していくための「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」雇用・労働総合政策パッケージを策定しました。このパッケージを通して中長期も見据えた雇用政策に力点を移し、これまでの「賃上げ支援」に加えて、「人材の育成・活性化を通じた賃上げ促進」「賃金上昇を伴う円滑な労働移動の支援」「賃金上昇を伴う円滑な労働移動の支援」「雇用セーフティネットの再整備」の一体的かつ継続的な取り組みを推進することを目指しています。

 制度  人手不足に向けての対応
社員紹介制度の運用と注意点

少子高齢化が加速する現代において、労働市場では人手不足が年々深刻な問題となっています。コロナ禍の影響による雇用情勢の変化を踏まえ、確かな人材確保に向けた採用制度として注目されている「社員紹介制度」について、その運用と注意点を確認しましょう。

●人手不足の現状
2022年度の雇用政策研究会が公表した資料によると、コロナ禍の影響で、企業の求人活動の鈍化に加え、失業期間の長期化や求職者数の高止まり、女性や高齢者を中心とした非労働力化によって、人手不足の現状が一層深刻化する懸念があると報告されています。
 同時に、テレワークの活用や副業・兼業の推奨、短時間勤務など柔軟な働き方、フリーランスの台頭など、働き方の多様化への理解と対応が求められています。経済活動の活発化に伴い、企業における雇用とキャリア形成のミスマッチを解消する取り組みは必要不可欠となっています。

●社員紹介制度とは
人手不足の緩和に対する企業の取り組みは、募集・採用など労働市場への外部調達や、配置転換や定年再雇用といった内部調達、賃金体系の整備や業務の見直しなどにより行われています。
 特に人材不足について取り上げた「労働経済の分析(令和元年版)」では、「募集しても応募がない」企業が最も多い状況にあると報告しています。そのような状況下で新たな採用制度として注目されているのが「社員紹介制度」です。
 この制度は、企業が自社の社員に知人を紹介してもらい、採用に至った場合には報酬を支払うという採用手法です。企業理念や社風、業務を熟知している自社の社員が職業紹介を行うため、採用時に起こるミスマッチを解消できる可能性が高くなります。さらには、人材採用について、企業と社員が職場の現状や課題を共有して取り組むことにより、帰属意識が高まり、離職率を抑える効果も期待できます。また人材紹介業者を利用することにより発生する多額の費用を減らし、経営負担を和らげる手段ともなります。
 反対に、人材採用に社員が参加することにより、公私混同の怖れや、特定の社員からの紹介が重なることによる派閥形成のリスクがあります。また報奨金の獲得が先行してしまい、本来の目的である自社にマッチした人材採用そのものがないがしろにされてしまう危険性も内在しているため、慎重な対応が必要です。

●法規制上の注意点
報酬を伴う職業紹介は、職業安定法をはじめ法律により規制されています。委託募集については、厚生労働大臣の許可を必要とし、報酬の額についても厚生労働大臣の認可が必要となることが、職業安定法第36条に定められています。
 一方で、自社の社員による職業紹介は法規制の対象外となっています。ただし、職業安定法第40条により、社員が紹介により得られる報酬は、手当など賃金の一部として支払われる必要があります。報酬の額についても、本来の賃金額や賞与額を超えて応額となる場合や、紹介回数に制限がない場合は、業として利益を得る職業紹介とみなされる可能性があります。中間搾取は、労働基準法第6条により罰則付きで規制されているため、注意しましょう。また社員紹介制度による報奨金は、給与所得としての源泉徴収が必要です。税務上の取り扱いをしっかり確認して対応する必要があります。
●制度導入に向けて
社員紹介制度導入を検討する場合、就業規則などを整備する必要があります。賃金規定には、社員への報奨金を手当など賃金の一部として組み込み、紹介回数を制限して、1人の社員が受け取れる金額に条件を設けることが重要です。
 「労働経済の分析(令和元年版)」では、人手不足は、長時間労働の増加や休暇取得数の減少など、働く人の職場環境に直接影響を与え、働きがいを消失させる要因になると報告されています。人手不足を緩和し、「働きやすさと働きがい」のある職場環境を整備することは、安定した人的資本の確保において欠かすことのできない重要な課題となっています。まずは、過去の退職者の退職事由の分析から始めてはいかがでしょうか。

 調査  「令和4年版 過労死等防止対策白書」
長時間労働が強い心理的負担に

政府は2022年10月21日に「令和4年版 過労死等防止対策白書」を閣議決定しました。過労死は現代日本における大きな社会問題の一つです。健康的に働き、充実した日々を過ごせる社会を実現するために何が必要か。労災請求の内容などから過労死等の現状を見ていきます。

 「過労死等防止対策白書」は、過労死等の調査分析および政府が講じた過労死等防止施策の状況を取りまとめた年次報告書です。「過労死等」は過労死等防止対策推進法第2条で、①業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡、②業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡、③死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心臓疾患、精神障害、と定義づけられています。ここでは精神障害に関連する調査を中心に見ていきます。
●精神障害の労災請求は年々増加傾向にある
業務における強い心理的負荷が原因で精神障害を発病したとする労災請求件数は、年々増加傾向にあり、2021年度は前年度比295件増加の2346件でした。また、労災支給決定(認定)件数は、2012年度以降、500件前後で推移していましたが、2020年度に600件を超え、2021年は629件となっています。このうち、請求人が業務で新型コロナウイルス感染症に関連する出来事があったとして申し立てた精神障害の労災支給決定(認定)件数は18件でした。
 業種別(大分類)でみると、労災請求件数は「医療、福祉」577件(24.6%)、「製造業」352件(15.0%)、「卸売業、小売業」304件(13.0%)の順で、労災支給決定(認定)件数は「医療、福祉」142件(22.6%)、「製造業」106件(16.9%)、「卸売業、小売業」76件(12.1%)の順で多くなっています。

●恒常的な長時間労働が精神障害の大きな要因に
白書では2012年度から2019年度までの精神障害の労災認定要因を、事案別に集計しています(図参照)。具体的出来事において、男性は「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」の割合が最も高いのに対し、女性は「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」、「セクシャルハラスメントを受けた」が高くなりました。また、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」は男女ともに上位。政府はセクシャルハラスメント、パワーハラスメント対策は事業主の義務としています。
 具体的出来事以外では男女ともに「恒常的な長時間労働」の割合が高くなっています。白書によると労働者1人当たりの年間総実労働時間は、全体的には緩やかな減少傾向にあります。しかし、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(2021年7月30日閣議決定)で、就労同時間が40時間以上の雇用者のうち、実際の就業時間が60時間以上である者の割合を2025年までに5%以下にする、と掲げているのに対し、今回の調査では8.8%(男性10.8%、女性4.5%)でした。過労死等防止対策の更なる推進が必要とされます。

【鏡開き】
「2023年度 賃上げに関するアンケート」(東京商工リサーチ)で、81.6%の企業が2023年度に賃上げ実施を予定していると答えました。コロナ前と同水準の実施率になる見通しですが、コロナ禍に加えてウクライナ情勢、円安にインフレと不透明な状況の中で、従業員の生活維持と業績との兼ね合いに悩む企業も多いようです。新年を迎え、1月11日は鏡開きです(15日や20日の地域も)。これは正月に歳神様に供えた鏡餅をおろし、雑煮や汁粉にして食べる風習のこと。一説では、丸い餅は三種の神器の一つ、八咫鏡(やたのかがみ)を表していると言われます。又、上に乗せるみかんは、本来は橙(だいだい)で「代々家が繁盛するように」という語呂合わせから来ているとか。景気の良い1年になるよう願いを込めて美味しくいただきましょう。

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