2021年5月 臨時号

正社員と短時間・有期雇用労働者との間で
①職務の内容
②職務の内容・配置変更の範囲(人事異動や転勤の有無､範囲)
③その他の事情
に違いがあれば、その違いに応じて短時間・有期雇用労働者の待遇を決め（均衡待遇）、いずれも同じであれば正社員と短時間・有期雇用労働者の待遇に差をつけてはならない（均等待遇）ということ。

◎責任の程度とは･･･
　①与えられている権限の範囲（管理する部下の数、決済権限の
　　範囲）
　②業務の成果について求められる役割
　③所定外労働の有無と頻度
　④トラブル発生時や臨時・緊急時の求められる対応の程度

◎その他の事情とは･･･
　①職務の成果、能力、経験
　②合理的な労使の慣行
　③定年後の継続雇用
　④労使交渉の経緯
　⑤正社員登用制度の有無や実績

短時間・有期雇用労働者から「雇入時」と「説明の要求があったとき」は、説明することが事業主の義務となった。
◎待遇差の内容と理由の説明をすること

①基本給
・問題とならない例･･･
　能力・経験に応じて支給される基本給は、職務の内容、勤務地
　の変更の範囲、就労日や時間帯の違いによる差は問題なし。
・問題となる例･･･
　業務に関連する能力や経験に違いがない場合の基本給の差は問
　題がある。

②昇給
　勤続による能力の向上に応じて昇給が行われる場合、能力の向
　上分が同じであれば同一昇給させ、相違する場合はそれに応じ
　て昇給させる。

③賞与
　会社の業績などの労働者の貢献に応じて支給する場合、貢献度
　が同一であれば同一の支給をし、相違があればそれに応じて支
　給する。

④役職手当
　同一の内容の役職に就く場合は同一支給をし、相違があればそ
　れに応じて支給する。

⑤精皆勤手当
　業務内容が同一であれば同一の支給をする。

⑥時間外・休日・深夜労働の手当
　同一の時間外・休日・深夜労働を行った場合には、同一の割増
　率で支給する。

⑦通勤手当・出張旅費
　同一の支給をする。

⑧食事手当
　労働時間の途中に食事時間がある場合は、同一の支給をする。

⑨福利厚生施設（給食施設・休憩室・更衣室）
　同一事業所であれば、同一の施設利用を認める。

⑩慶弔休暇・健康診断による勤務免除、給与補償
　同一の付与、勤務免除、有給補償をする。

⑪病気休職
　無期契約の短時間労働者には同一の休職を認める。有期雇用労
　働者にも契約期間を踏まえて休職を認める。

⑫教育訓練
　職務遂行に必要な内容の場合、職務内容が同一の者には同一の
　教育訓練を実施する。

⑬安全管理
　同一の業務環境の場合、同一の安全管理措置・給付を行う。