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2021年11月号

 こんなときどうする労務トラブル回避 QA 
 今月の相談 
出向元と出向先の所定労働時間が異なる場合

Q 社員を関連会社に1年間在籍出向させることになりました。出向元である当社の1日の所定労働時間は7時間30分ですが、出向先の所定労働時間は1日8時間で30分長くなります。このような場合、出向社員の賃金を引き上げなければならないでしょうか?    (G社:人事部)

A 在籍型出向とは、対象社員が出向元企業(以下、出向元)に在籍したまま、出向元と出向先企業(以下、出向先)との間の出向契約によって、出向元と出向先の両方と雇用契約を結び、一定の出向期間継続して勤務することをいいます。
 労働条件を定めた就業規則等の適用に関しては、出向者は、出向先の指揮命令に基づき労務提供を行いますので、出向元と出向先の出向契約に特段の定めがない限り、就業規則のうち、労務提供に関する部分については、出向先の就業規則が適用されます。具体的には、始業・終業時刻、労働時間、休日、安全衛生、災害補償などです。他方、労働契約上の地位に関するものについては、出向元の労働者ですので、出向元の就業規則が適用されます。具体的には、定年、退職金、解雇などについてです。
出向元と出向先では、労働条件のうち、1日の労働時間や休日数が異なる場合がよくあります。たとえば、ご相談のように出向元では、「1日7時間30分、1週5日勤務」、出向先では「1日8時間、1週5日勤務」であれば、出向したことで1日30分の残業になります。また、出向先の年間所定休日数が出向元より少ない場合は、休日出勤が発生することになります。
このような場合には、1日の所定労働時間について、出向先が出向元より30分長い分を所定外労働時間として、出向元の賃金規定に基づき残業手当を支払うことが必要となる場合もあります。労働基準法上は、1日について8時間を超える部分については、2割5分以上の割増率での割増賃金を支払う義務があります。したがって、今回のように7時間30分を超え8時間までの30分は所定外労働時間となり、通常の賃金の30分相当額を支払うことで足ります。しかし、出向元が所定労働時間(7時間30分)を超える労働に関して法定の割増率で支払うことを定めている場合は、それによることになります。また、出向元と出向先の所定休日数に差があり、出向先の休日数が少ない場合には、その差を休日出勤とみなし、出向元の賃金規程に基づいて休日出勤手当を支払うべきでしょう。この点について裁判例では、「出向元としては不利益を解消するだけの条件を示すべきであり、かかる条件を提示することもなく、本人の意向を無視して行った出向命令は、その効力を生じ得ない」(神鋼電機事件、津地決昭46・5・7)としています。つまり、出向手当のような何らかの形で不利益を解消する必要があるということになります。
ところで、出向元が出向先に比べて所定労働時間が長い場合や所定休日数が少ない場合もあります。このような場合、出向者の賃金を減額してよいかという問題が出てきます。しかし、出向は出向元事業主の業務命令として行われるものです。したがって、所定労働時間が短い分または休日が多い分について、相当額を安易に減額してはなりません。出向先の所定労働時間の短さや所定休日数が多いことは、出向者の都合によるものではないので、所定労働時間の減少および所定休日の増加は、事業者の責めに帰す休業と解することもできます。仮に減額するにしても、労基法第26条に基づく使用者の責に帰すべき事由による休業として、平均賃金の100分の60以上の休業手当を支払わなければならないことにもなります。したがって、労働時間の減少分および休日数の増加分について減額するような措置を講ずることは避けるべきでしょう。

 今月のポイント 

労働時間や休日について、出向により不利益となる場合には賃金調整が必要となるが、出向先が有利となることをもって賃金を不利益変更してはならない。

 政策  2021年度地域別最低賃金改定
最低賃金の引上げの影響と対応策

9月に入り、厚生労働省より各都道府県の最低賃金が公表されました。全国平均で28円の引上げを目安にした最低賃金。過去最大の引上げ幅が、企業に与える影響とその対応策について解説します。

●最低賃金制度の概要
最低賃金制度とは、1959年に制定された最低賃金法に基づき、国が賃金の最低限度額を定め、使用者に最低限度額以上の賃金の支払いを求める制度です。最低賃金には、都道府県ごとに定められた地域別最低賃金と、特定の産業を対象に定められた特定(産業別)最低賃金の2種類があります。
地域別最低賃金は、正社員はもとよりパート・アルバイトなど雇用形態や呼称の如何を問わず、各都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に適用され、セーフティーネットとしての役割を担っています。一方、特定(産業別)最低賃金は、特定産業の基幹的労働者とその使用者に適用されます。特定(産業別)最低賃金は、地域別最低賃金よりも金額水準が高く、3月末現在、全国227件の産業に適用されています。
使用者が最低賃金額以上の賃金を支払わない場合には、その差額の支払いと罰金が科されます。地域別最低賃金は、最低賃金法により50万円以下の罰金、また特定(産業別)最低賃金に対しては、労働基準法により30万円以下の罰金が定められています。
最低賃金の特例として、使用者が都道府県労働局長の許可を得ることを条件に、「精神又は身体の障害により著しく労働能力が低い者」など、最低賃金法第7条に定める特定の労働者に対しては減額が認められています。
●最低賃金の決定方法
地域別最低賃金は、全国的な整合性を図るため、毎年7月に中央最低賃金審議会から地方最低賃金審議会に対し、改定額の目安についての答申が行われます。各地方最低賃金審議会はこの答申を踏まえて調査、審議の上、答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定します。その決定額が先頃公表され、10月に発効されます。

 地域別最低賃金の決定基準は、①労働者の生計費②労働者の賃金③通常の事業の賃金支払能力を総合的に勘案して定められ、生活保護に係る施策との整合性に配慮すること、とされています。
 一方、特定(産業別)最低賃金は、関係労使の申し出に基づき、最低賃金審議会が必要と認めた場合に、改定・決定されます。

●最低賃金引上げの動向
2016年の政府による「一億総活躍プラン」を皮切りに、経済の好循環の実現に向けて、最低賃金は、4年連続で約3%ずつ引上げられてきました。厚生労働省によると、改定後の最低賃金を下回る労働者の割合を示した「影響率」は、年々増加していることが報告されています。最低賃金の引上げに伴う「影響率」の上昇は、賃上げを必要とする労働者の増加を示しており、企業にとって、総人件費の負担が大幅に増加していることを意味しています。
 2020年、コロナ禍により業況が厳しいなか、中央最低賃金審議会は、現行水準の維持が適当として、初めて改定額の引上げ目安を示さず、地域別最低賃金の上昇は低水準に留まりました。
 2021年になると、危機的な経済情勢を立て直す手段のひとつとして、政府は大幅な最低賃金の引上げに踏み込み、全国平均で28円を目安に引上げ、930円となりました。28円の引き上げ額は時給で示す現在の方式となってから過去最大で、上げ幅は3.1%です。非正規労働者などの賃金水準を底上げすることにより、賃金格差の是正や雇用の安定、消費の拡大といった企業の生産性向上による経済の活性化が期待されています。
●企業に与える影響と支援施策
最低賃金の引上げによる大幅な人件費の増加は、雇用そのものに大きな影響を与えかねません。人件費を抑えるための雇用削減や、総人件費の調整による昇給や賞与の削減は、労働者のモチベーションを低下させ、生産性の低下や離職の連鎖を生む可能性があります。また、人件費対策が商品価格の値上げに反映された場合は、物価の上昇を引き起こし、消費の低迷を招く恐れもあります。更には、人件費の上昇と値上げの悪循環により業績が悪化し、倒産や廃業に追い込まれる企業が増加する可能性も十分に考えられます。
 政府は、最低賃金の引上げに伴う様々な影響を想定し、中小企業や小規模事業者を支援するために、幅広く施策を展開しています。経済産業省による中小企業向けの補助金・総合支援サイト「ミラサポ plus」では、様々な中小企業支援施策が紹介され、支援者や支援機関との連携も行っています。

●助成金と補助金の活用
「業務改善助成金」は、事業場内で最も低い賃金を一定額以上引上げ、更に生産性向上に役立つ設備投資などを行う中小企業や小規模事業者に対して、その費用の一部を国が助成するものです。設備投資には、機械設備やコンサルティングの導入、人材育成や教育訓練、POSシステムなどの導入などが含まれます。
 「人材確保等支援助成金」は、労働環境の向上などを図り、人材の確保や定着に向けた制度づくりを検討する際に活用できます。テレワークコースや雇用管理制度助成コースなど様々なコースがあるため、自社のニーズに合わせて活用することが可能です。2021年度より、コースの廃止や新設など制度が大きく変更されているので注意が必要です。
 「働き方改革推進支援助成金」には、①労働時間短縮・年休推進支援コース②勤務間インターバル導入コース③労働時間適正管理推進コース④団体推進コースの4つのコースがあります。申請にあたっては、昨年度から取扱いが一部変更となっていますので、事前に確認しておきましょう。
 経済産業省管轄の「事業再構築補助金」は、新しい時代の経済、社会の変化に対応するため、事業再構築に取り組む中小企業などを支援するものです。最低賃金枠が新設され、通常枠より補助率が高く、採択率も優遇されています。
 コロナ禍の影響が長引くなか、人件費の増加に対応するには、労働時間の短縮や業務の効率化により、生産性向上を図ることが必須です。支援施策を積極的に活用して労働環境を整備するとともに、賃金水準を底上げして雇用の維持に努めるという、発想の転換が求められています。
●最低賃金のチェック方法

 最後に、支払われている賃金が最低賃金額以上になっているかのチェック方法を確認しておきましょう。対象となる賃金額は、時間額に換算して、適用される最低賃金額と比較する必要があります。
 最低賃金の対象となるのは、毎月支払われる基本的な賃金です。賞与や残業代、結婚手当など臨時に支払われる手当や家族手当、通勤手当は対象外となります。
 例として、日給制と月給制の組み合わせの換算方法を確認しましょう(下表参照)。基本給が日給制で、1日当たり4,600円、各種手当が月給制で、職務手当が月25,000円、通勤手当が月5,000円支給される場合を想定しています。①まず、基本給の時間換算額は、基本給を1日当たりの労働時間数で割ると(4,600円÷8時間)、575円となります。②次に、対象となる手当は職務手当のみです。時間換算額は、年間の職務手当
(25,000円×12=300,000円)を、年間の労働時間数(250日×8時間=2,000時間)で割ることにより算出でき、150円です。③時間換算額の合計は、①575円と②150円の合計725円となり、△△県の最低賃金800円を下回ることがわかります。
 変化を受容して「誰一人として取り残されない包括的な社会」の実現を目指し、皆で力を合わせていきましょう。

労務 News BOX

監督指導実施のうち7割以上で法令違反
外国人技能実習生の実習実施者への監督指導

 全国の労働局や労働基準監督署が令和2年に外国人技能実習生の実習実施者(実習生が在籍している事業場)に対して行った監督指導や送検等の状況について、厚生労働省が発表しました。監督指導を実施した8,124事業場のうち70.8%に相当する5,752事業場で労働基準関係法令違反が認められ、重大・悪質な労働基準関連法令違反で送検したのは32件でした。主な違反事項は、使用する機械等の安全基準(24.3%)、労働時間(15.7%)、割増賃金の支払(15.5%)の順でした。

令和2年度の概算医療費公表
金額で過去最大の減少幅

 令和2年度の概算医療費(労災・全額自費等の費用を含まない速報値)が厚生労働省から発表されました。総額は42.2兆円で対前年比3.2%減、金額では1.4兆円の減少となり過去最大の減少幅です。受診延日数が全体で8.5%もの減少となり、一方で1日当たりの医療費は5.8%の増加となりました。伸び率に、人口増減や高齢化の影響、診療報酬改定等などの影響を除いた概算医療費の伸び率は3.6%もの減少となります。入院外の受診延日数が10.1%と特に減少幅が大きくなりました。

令和2年度の長時間労働が疑われる事業場への
監督指導結果を公表

 厚生労働省はこのたび、令和2年度に、長時間労働が疑われる事業場に対して労働基準監督署が実施した、監督指導の結果を取りまとめました。対象となった24,042事業場のうち、8,904事業場(37.0%)で違法な時間外労働を確認し、是正・改善に向けた指導を行いました。このうち実際に1カ月当たり80時間超の時間外・休日労働が認められた事業場は2,982事業場で、違法な時間外労働があったもののうち33.5%でした。賃金不払い残業は1,551事業場でした。

厚労省・国土省が概算要求に盛り込む
建設業の人材確保・育成に向けた取組

 厚生労働省と国土交通省は、建設業の人材確保・育成に多角的に取り組むため、令和4年度予算概算要求の概要を取りまとめました。建設業の技能者の約3分の1が55歳以上と高齢化が進むなか、将来の担い手確保が課題となっていることが背景にあります。内容は、建設事業主等に対する助成金による支援が70.7億円、中小建設事業主等への支援が5.2億円、働き方改革推進支援助成金による支援が66.0億円、働き方改革推進支援センターによる支援が43.8億円などです。

循環経済への移行を推進
官民のパートナーシップが事例集を発刊

 環境省、経済産業省と日本経済団体連合会で立ち上げた「循環経済パートナーシップ」(J4CE)は9月に、注目事例集を発刊し、WEBサイトも開設しました。このパートナーシップには113社・14団体がメンバーとして参加し、131件の取組事例が登録されています。9月2日、注目事例集の発刊・WEBサイト開設発表式をオンラインで開催。小泉進次郎環境大臣などが登壇しました。循環経済への先進的取組事例を国内外に戦略的に発信することを目的とするものです。

コロナ禍による小学校休業等に対応
保護者の休暇取得支援金を再開

 新型コロナウイルス感染症に係る小学校等の臨時休業等により仕事を休まざるをえない保護者を支援するための「小学校休業等対応助成金・支援金」制度が再開されました。令和3年12月31日までに取得した休暇が対象となる予定で、支給対象者は子どもの世話をすることが必要になった保護者の労働者に対して有休(賃金全額支給)の休暇を取得させた事業主や、個人で委託を受けて仕事をする保護者となります。今後全国の都道府県労働局に相談窓口も設置されます。

 採用  若年者雇用促進法に基づく指針による
新規学卒者等若年者の
募集・採用等に関する主な注意点

企業にとって、新規学卒者の採用は、新しい戦力を取り込んで人材の新陳代謝を促す重要な意義を持っています。しかし採用方法などに関しては一定のルールが定められています。最近の指針改定の内容を見ていきましょう。

 「青少年の雇用の促進等に関する法律」(若者雇用促進法)では、新規学卒者など若年者の雇用の促進等を図り、その能力を有効に発揮できるようにするため、企業や特定地方公共団体等の若者の募集・採用等に際しての事業主として講ずるべき措置について指針を作成・公表しています。本年4月には、近年問題となっている面接時のハラスメントへの対応を含め、事業主が講ずべき措置を新たに定めていますので、今後の若年者の募集・採用にあたっては留意しなければなりません。
●募集時の労働条件の明示
企業が、若年者を募集するにあたり、遵守すべき事項として、青少年が適切に職業選択を行い、安定的に働くことができるようにするためには、あらかじめ労働条件などを的確に示すことが必要です。したがって、募集に応じて労働者となろうとする者に対して、従事すべき業務の内容や賃金、労働時間、その他の労働条件を可能な限り速やかに明示しなければなりません。従事すべき業務内容などは、虚偽または誇大な内容としないことが求められます。賃金に関しては、賃金形態(月給、日給、時間給等の区分)、基本給、定期的に支払われる諸手当などのほか、固定残業代を採用している場合には、その労働時間数と金額の計算方法なども明示する必要があります。
●個人情報の適切な取り扱い
4月の指針の改正により、募集情報等提供事業者、求人者、募集者などは、職業安定法に基づく職業紹介事業者等指針(求職者等の個人情報の取り扱いについて、個人情報の収集、保管および使用、個人情報の適正な管理、個人情報の保護に関する法律の遵守等)第4に基づき、求職者等の個人情報を適切に取り扱うことが求められることになりました。●内定辞退等勧奨の防止
採用内定は、労働契約(始期付き労働契約)が成立したと認められるものです。したがって、企業として、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない採用内定取り消しは無効とされることに十分に注意しなければなりません。また、次のような行為は行うべきではないとされています。
①採用内定または採用内々定と引き替えに、他の事業主に対する就職活動を取りやめるよう強要する(いわゆるオワハラ)などの職業選択の自由を妨げる行為など。
②採用内定者について、労働契約が成立したと認められる場合には、採用内定者の自由な意思決定を妨げるような内定辞退の勧奨をすること。
●就活生などに対するハラスメント問題へ対応
就活生や内定者に対するハラスメント(いわゆるリクルートハラスメント)が一時期問題となりました。その背景にあるのが、就活マッチングアプリや就活SNSです。
 指針では、新たに事業主に対して、その雇用管理上の措置として、役員など事業主自らのほか、雇用する労働者が就職活動中の学生やインターンシップ中の者などに対する言動について、必要な注意を払うよう配慮する取り組み(研修の実施などによる周知徹底)をすることが望ましいとしています。
●「青少年雇用情報」の提供
企業は応募者に対するマッチング向上のため、労働条件を的確に伝えることに加えて、平均勤続年数や研修の有無および内容といった職場情報を新卒者等に提供することが、若者雇用促進法によって、義務づけられています。ホームページなどで直接募集を行う場合には、青少年雇用情報シートを活用するなどして、すべての項目について情報提供することが望ましいとしています。

 調査  令和2年「雇用動向調査」
コロナ禍の影響が影を落とす結果に?

入職者と離職者の動向を年に2回調査している厚生労働省が、このほど令和2年の通年の結果を発表しました。そこにはコロナ禍の影響も少なからず見られると推測されるデータが示されました。

●パートタイムを中心に9年ぶりに離職超過
 「雇用動向調査」は、全国の主要産業の事業所における入職者数・離職者数、それらの性・年齢階級、離職理由等の状況を明らかにすることを目的に年2回、厚生労働省が実施しているものです。
 8月末に、令和2年の2回分を合算した集計結果が発表されました。調査は5人以上の常用労働者を雇用する事業所から15,184事業所を抽出し、上半期が9,032、下半期が8,841の事業所から回答を得ています。
 入職率は全体で13.9%と前年比2.8ポイント低下、離職率は14.2%と同1.4ポイント低下。入職超過率はマイナス0.3ポイントで、9年ぶりの離職超過となりました。特にパートタイム労働者の離職超過が目立っています。

●女性が前職を辞めた理由
 「人間関係」も比較的高率に
転職入職者に前職を辞めた理由を尋ねた結果をまとめたのが下の表(図表1)です。男性は「その他の理由(出向等を含む)」の31.3%を除くと、2位が「定年・契約期間の満了」の16.0%なのに対し、女性は「その他の理由(出向等を含む)」の26.9%に次いで高いのが「職場の人間関係が好ましくなかった」の13.3%となります。
 さらに前年との比較では、男性は「給料等収入が少なかった」の上昇幅が比較的大きく、女性は「会社都合」の上昇幅が最も高くなりました。これらの結果は、雇用をめぐる男性と女性の背景事情の違いが表れているように思われます。

●女性で上昇傾向
 「事業者側の理由」による離職
離職理由(前述の転職入職者だけではなく、全ての離職者を対象)別の離職率の推移を示したのが図表2のグラフです。前年(令和元年)と比べて、「個人的理由」の率が男女ともに顕著に下がっていることがわかります。
 一方で、「事業所側の理由」については、割合としての母数が「個人的理由」よりもはるかに少ないものの、男性が対前年比0.2ポイント減少しているのに対して、女性は0.3ポイントの増加となりました。
 まとめると、令和2年はパートタイマーを中心とした離職超過となり、女性は会社都合による離職が増えています。それだけが要因とは言えませんが、ここにはコロナ禍による雇用現場へのしわ寄せが垣間見られるようです。

はたらく百景

「過労死ライン」見直しの意義

 脳出血や心筋梗塞など、死に直結するリスクのある「脳・心臓疾患」の労災認定基準が今年、20年ぶりに見直されました。基準の見直しについて議論していた厚生労働省の検討会は、発症前2~6カ月間の残業時間が月平均80時間を超過した場合に業務と疾患との関連性を認めるという「過労死ライン」の引き下げを見送る結論を出しました。これに対して、国際的には80時間以下でも脳疾患のリスクが高まるとも言われていることを背景に、「80時間」のラインを引き下げなかったことへの批判の声も一部で上がっているようです。
 しかし、今回の見直しでは同時に、総労働時間以外でも脳・心臓疾患のトリガーになる職場由来の要因もあることが指摘されました。深夜や早朝など不規則な勤務、頻繁な出張、連続勤務、さらに過重な営業ノルマや人間関係などが招くストレス、ハラスメント行為、安全衛生管理上の問題など、総時間以外の要因も考慮することがうたわれたのです。
 明確な目標があり、その目標が確かに社会の役に立ち、そのような仕事を人間関係も含めて良好な環境で行えるのであれば、長時間労働でもなんとか回っていくものでしょう。もちろん、そのような論理で逆に長時間労働へのケアを怠るのは本末転倒ですが、時間以外の要因も重要であることに光を当てた今回の改定は、労務担当者にとってもその主旨を十分に理解し、対応を行うべきでしょう。
 コロナ禍に伴うリモートワークをはじめ働き方が多様化し、個々人の就労実態の把握が難しくなっている昨今、対応強化はさらに求められています。

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