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2020年5月号

 法律  「労働基準法の一部を改正する法律」が成立!
未払い残業代等の賃金請求権の消滅時効が
「2年」から「3年」に改正

民法の債権関係の規定が大幅に改正されたことに伴い、労働基準法も一部改正され、賃金債権に関する消滅時効期間が3年となるなど、残業代など未払賃金への影響も大きくなります。

 2017年5月、債権の消滅時効期間の改正を含む民法の一部改正が成立し2020年4月に施行されました。民法上の債権は、債権者が権利を行使することができることを知った日から5年間行使しないとき、または、権利を行使することができる時から10年間行使しないときは、時効によって消滅することになりました。
 これを受けて民法の特別法である労働基準法上の賃金の請求権の消滅時効期間に関する見直し案が国会において審議され、2020年3月27日に成立し4月1日から施行となりました。

●賃金請求権の消滅時効は、当分の間、3年
 従来、労働基準法では、「この法律の規定による賃金(退職金を除く)、災害補償その他の請求権は2年間、この法律の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合において、時効によって消滅する」と規定されていました(第115条)。この法律の適用を受ける賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいいます(第11条)。月給、週給、日給、時給など定期的に支払われる賃金はもとより、時間外・休日労働に対する割増賃金(いわゆる残業代、休日出勤手当)、年次有給休暇期間中の賃金なども含まれます。
 したがって、これまでは、残業代の未払いや最低賃金を下回る賃金の支払いをめぐる争いに対して、使用者の遡及支払が求められるのは2年まででした。
 しかし、改正により、賃金請求権の消滅時効は民法の改正に合わせて5年に延長されました。ただし、直ちに5年という長期間の消滅時効期間を定めることは労使の権利関係を不安定化する恐れがあることや企業負担なども考慮し、経過措置を設けて、当分の間、3年の消滅時効期間としています。これは、使用者の賃金台帳の保存期間(3年間)に合わせたものです。
 なお、従来の労働基準法では、賃金請求権の消滅時効の起算日に関する規定がなかったことから、客観的起算点として「賃金支払日」であることを明確にしました。

●未払い残業代請求への影響
 賃金請求権の消滅時効が「2年」から「3年」に見直されたことにより、最も影響が大きいのは残業代の未払い問題です。労働時間法制に関するコンプライアンスの認識不足や運用の誤り、または労働時間管理の不徹底により、残業代の未払いをめぐり争われることは多々あります。
 これまでは、残業代の未払いをめぐる争いがあっても、時効(2年)が経過すれば労働者は残業代を請求することができませんでした。
 しかし、賃金請求権の消滅時効期間が3年(将来的には5年)に延長されたことで、在職中の労働者はもとより退職した元労働者から3年分の未払い残業代請求をされるとこれまで以上に高額なものとなります。

 特に今回の改正内容について新聞、マスコミなどで情報が広まれば、これまで未払い残業代を意識していなかった退職した労働者も請求権があることに気づき、残業代の未払いを請求してくる可能性もあります。
 また、合同労組(いわゆるユニオン)や労働者側弁護士にとっては、未払い請求額が多くなることから労働者の依頼を受けやすくなります。
 なお、労働基準法の一部改正では、その施行日を民法の改正の施行日(2020年4月1日)を同日にしており、施行日前に支払期日が到来した賃金請求権の消滅時効期間は従前の規定(2年)によるものとされ、3年の適用を受けるのは施行日以後に支払日が到来する賃金請求権とされています(下図参照)。

●遅延損害金と付加金
 未払い残業代に対しては、不払いのときから、年利6%の遅延損害金が発生します(商法第514条)。また、請求してきた者が退職した労働者である場合には、年利14.6%の遅延損害金を請求することができます(賃金の支払いの確保等に関する法律第6条)。
 これは、会社が労働者に支払うべき賃金を支払うべき日に支払っていないという債務不履行をしていることによるものです。債務不履行があると、支払いを受けるべき側に損害が発生します。その損害を賠償するものとして請求することが認められているのが遅延損害金(遅延利息)です。
 消滅時効の期間が3年になると今まで以上に支払いリスクが膨らむことになります。
 さらに、労働者から未払い残業代の請求に関して訴訟を提起されると裁判所から「付加金」として未払い残業代と別途にそれと同等の金額の支払いを命じられることもあります。付加金は、会社が労働者に対して、賃金や残業代を支払わなかったことに対するペナルティです。労働基準法では「裁判所は、第20条、第26条若しくは第37条の規定に違反した使用者又は第39条第6項の規定による賃金を支払わなかった使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払いを命ずることができる。ただし、この請求は、違反のあった時から2年以内にしなければならない。」(第114条)と定めており、労働者の請求に基づき、裁判所が賃金不払いなどに関して会社側の対応が悪質と判断したときに支払いを命令することができるものです。
 なお、改正では、この付加金の請求に関する消滅時効期間についても、5年を原則としつつ、経過措置として当分の間、3年とすることになりました。

●今後の企業の対応
 賃金請求権の消滅時効の改正に伴い、企業として検討しなければならないことがいくつかあります。まず、現時点において、残業の未払いがないかどうかの検証と、検証により未払いがあった場合には、清算してしまいましょう。それによって、過去の請求リスクを少額で回避できます。特に固定残業代制を導入している場合には、固定残業時間数を超えた残業時間分を支払っていないことはよくあります。次に労働時間管理を従来以上に厳格化し、残業に関しては残業許可制などにより残業時間管理を適正に行うことです。
 また、賃金規定の見直しを図り、労働時間の端数処理および賃金計算の端数処理の仕方や割増賃金の計算方法が適正かどうかの確認をしておくことも必要です。定額支払の諸手当(通勤手当・家族手当などを除く)などで、割増賃金の算定の基礎に含めるべきものを含めていないといったことがないように精査しなければなりません。

 経営支援  新型コロナウイルス感染症の影響への
支援策としての

「雇用調整助成金」と融資制度の活用

新型コロナウイルスの終息が見えないなか、企業支援策として厚生労働省は「雇用調整助成金」の支給、日本政策金融公庫は融資制度の拡充策を講じ出しています。これらを活用してこの経営危機を乗り越えましょう。なお、この情報は3月27日時点のものです。

1.雇用調整助成金
 新型コロナウイルス感染症の影響で、受注量が減少したなどにより事業活動の縮小を余儀なくされ、労働者を一時的に休業させたり、休業中に教育訓練を行ったり、出向させたりなどの措置(以下、休業等)を講じて雇用を維持し、かつ、その間に労働基準法に定める休業手当(平均賃金の100分の60)以上の賃金を支払っている場合に助成するものです。

①対象事業所
 業種を問わず新型コロナウイルス感染症の影響を受けている雇用保険適用事業所の事業主が対象です。

②助成内容等
 助成内容、受給できる額、支給限度日数は下表の通りです。

③適用期間・対象労働者
 この助成措置の適用期間は、休業等の初日が、令和2年1月24日から7月23日までにある場合に適用されます。
 対象となる労働者は、正社員に限らず、雇用保険の被保険者となっている者です。ただし、緊急対応期間(4月1日から6月30日)については、被保険者でない労働者も対象とするとのことです。

④受給手続き
 この助成金を受給するにあたっては、休業等の雇用調整を開始する日の2週間前までをめどに休業等計画届を所轄の公共職業安定所に提出しなければなりません。ただし、特例措置として、令和2年1月24日以降に初回の休業等を行う計画書の届出は5月31日(緊急対応期間は6月30日)までは事後でも可能です。なお、この場合は提出前までに実施した休業等に関する休業等計画届を一度にまとめて提出しなければなりません。

⑤生産性指標等の判定
 この助成金の支給を受けるには、初回の休業等計画届の提出前の直近月の生産性指標(販売量、売上高等の事業活動)が、前年同期に比べ10%(緊急対応期間は5%)以上減少していることが必要です。
 ただし、事業所設置後1年未満の場合は、生産指標の確認は、提出のあった月の前月と令和元年12月と比べます。そのため12月の実績が必要となります。

2.日本政策金融公庫の融資制度
 日本政策金融公庫では、新型コロナウイルス感染症による影響を受け業況が悪化した中小事業者に対し、融資枠別枠の制度等を創設しました。

①融資対象
 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的に業況悪化し下記のいずれかに該当し、かつ、中長期的に業況が回復し発展が見込まれることが条件です。
ⅰ)最近1か月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上
  減少していること。
ⅱ)業歴3か月以上1年1か月未満の企業は、最近1か月の売上高が「過
  去3か月の平均売上高」、「令和元年12月の売上高
」、「令和元年10
  月から12月の平均売上高」のいずれかと比較して5%以上減少して
  いること。

②融資限度額
 設備資金および長期運転資金として、直接貸付3億円。

③返済期間・利率(年)
 返済期間は設備資金で20年以内、運転資金は15年以内でいずれも据置期間は5年以内です。返済利率は、1億円を超えるものは基準利率となりますが、1億円以下のものは当初3年間は基準利率-0.9%です。ただし、特別利子補給制度により、当初3年間は実質無利子となります。

 調査  労働経済動向調査
人材不足傾向が継続。正社員等で建設業が顕著

厚生労働省は2020年2月の「労働経済動向調査」の結果を発表しました。労働者の過不足度では、今回も不足傾向が見られる結果となりました。ただし雇用形態別で子細に見ていくと、不足傾向にも業種別の特徴があるようです。

●正社員等、パートタイム労働者とも「不足」とする事業者が引き続き多い
 この調査は四半期に1度、年4回行われています。以下にまとめる結果は2020年2月1日現在のデータです。

 調査では「D.I.」(Diffusion Index)という、「変化の方向性を示す指標」を用いて労働経済動向を分析しています。これはある質問に対する対照的な2つの回答について、それぞれの回答率を算出し、その差を数値化するというものです。
 例えば、人材の過不足度についての質問では、正社員等労働者について「不足と回答した事業所の割合」マイナス「過剰と回答した事業所の割合」はプラス38ポイントとなります。これは35期連続の不足超過です。同様にパートタイム労働者についてもプラス27ポイントで、こちらは42期連続で不足超過。ただしポイントだけで見ると、正社員と比較して不足度は低いようです。

●正社員等は建設、医療・福祉で不足度が高い
 上記の数字をここ数回の経過で見ると、正社員の不足度は2019年2月の調査結果(ちょうど1年前)が45ポイントで過去10年間の中でピークでした。パートタイム等は2016年~2017年頃になだらかなピークがあり、そこからは漸減傾向にあります。
 業種別で見ると、正社員等とパートタイマーで違いがあることがわかりました(上の一覧表を参照)。正社員等で不足傾向が高いのは「建設業」(58ポイント)、「運輸業、郵便業」(55ポイント)、「医療、福祉」(52ポイント)などですが、パートタイマーだと、不足度が高いのは「生活関連サービス業、娯楽業」(55ポイント)、「宿泊業、飲食サービス業」(50ポイント)などです。
 それぞれの業種において求められる雇用形態の特徴が浮き彫りになっているようです。

●所定外労働時間では、建設業だけがプラスで他はマイナス
 「所定外労働時間判断D.I.」は、所定外労働時間について「増加」と回答した事業所の割合から「減少」とした事業所の割合を引いたものです。結果は調査産業全体(2020年1~3月期実績見込)でマイナス3ポイントとなり、全体としては所定外労働時間が減っていることがわかりました。
 産業別に見ると、建設業が唯一のプラス(5ポイント)となり、所定外労働時間の増加傾向が見られます。他業種は全てマイナス(所定外労働時間が減少)で、「サービス業(他に分類されないもの)」がマイナス14ポイントと減少幅が特に高くなっています。この傾向は正社員等の過不足度と因果関係があると推測されます。建設業では正社員が不足していて、残業がどうしても長くなるという構造があるのではないでしょうか。

外国人留学生をどう採用し戦力化するか?
企業向けのハンドブックを作成

 経済産業省、文部科学省、厚生労働省は、企業が外国人留学生等の採用選考や採用後の柔軟な人材育成や待遇等を実践するためのハンドブックをこのほど策定しました。大きく二部構成になっていて、前半は外国人留学生の採用・活躍に向けての12のチェックリストと各リストの活用法の解説、後半は採用・活躍に向けたベストプラクティス集として、具体的な企業の取り組み事例を27社分紹介。外国人活用を重視する企業には必読の内容となっています。

高年齢労働者の職場での安心、安全をめざして
ガイドラインを厚生労働省が公表

 厚生労働省は3月16日、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(通称:エイジフレンドリーガイドライン)を公表しました。今後高年齢労働者の就労が進み、労働災害における高齢者の割合も高くなると想定される中で、高年齢者にとって安心して働ける職場作りのために必要な取り組みの事項をまとめたものです。事業者に求められる取り組みのみでなく、労働者本人に求められる取り組み、国や関係団体等による支援の活用についても言及しています。

中小企業の事業承継をやりやすく
中小企業成長促進法案が閣議決定

 高齢化に伴う中小企業の事業継承の円滑化を図るための中小企業成長促進法案が3月10日に閣議決定されました。法案の最重要ポイントは経営者保証の解除支援。これは後継者候補が経営者保証を負うことをためらい、これが事業継承上の障害になっている問題を踏まえて、事業継承時に経営者保証なしの債務借り換えのための信用保証制度の追加などの内容が盛り込まれています。今通常国会に提出され、成立すれば6か月以内に大半が施行の予定です(3月23日現在)。

労働市場の「見える化」をめざして
「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」開設

 厚生労働省は、3月19日に「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」の運用を開始しました。その名の通り、「職業」に関する総合サイトで、約500もの具体的な職業について仕事内容や求められるスキルなどを、文章はもちろん動画も交えて説明しています。求職者向けのキャリア分析や企業向けの人材採用支援、在職者に身につけさせたい能力を明確化する人材活用シミュレーションまで、活用する対象者や用途の面でもまさに「総合」的なサイトになっています。

厚生労働省の白書では初の試み
「労働経済白書」の動画版を公表

 厚生労働省は、昨年9月27日に閣議報告済みの「令和元年版 労働経済の分析」(「労働経済白書」)の動画版をこのほど作成、公表しました。動画版は白書の第2部「人手不足の下での『働き方』をめぐる課題について」のポイントや企業の取り組み事例を紹介しています。全体版は約27分で、人手不足や働きやすさ、働きがいといった問題について概況を把握できます。四部構成の最後の「企業の取り組み事例」では、担当者へのインタビューも行っています。

多様な人材の能力を活用
「新・ダイバーシティ経営企業100選」選定

 多様な人材の能力を最大限に引き出し、経営成果に繋げている企業を選定する「新・ダイバーシティ経営企業100選」の令和元年度分として、経済産業省は18社を選定しました。平成24年度から毎年実施しているもので、平成27年度から選定における「重点テーマ」を決め、この時から「新」と銘打っています。令和元年度は4つの重点テーマが指定されましたが、「外国人・シニア・チャレンジドの活躍」というテーマへの応募企業が多かったようです。

 こんなときどうする労務トラブル回避 QA 
今月の相談 
出向者への36協定の適用

Q当社には親会社からの在籍出向者がおります。先日、当社の36協定の限度時間内(月45時間)で残業を命じたところ、出向元の36協定の限度時間(月30時間)の適用を受けるので、残業命令に従う義務はないと言われました。どのように対応すべきでしょうか。

A労働基準法上の法定労働時間は、「週40時間、1日8時間」、法定休日は「週1日又は4週4日」と定められています。それを超えて時間外労働または休日労働をさせる場合には「時間外労働及び休日労働に関する協定」(いわゆる36協定)を締結し、所轄労働基準監督署に届け出なければなりません。この36協定の締結・届出をせず、時間外労働や法定休日に労働させると労働基準法違反となります。
 使用者は、この36協定で定めた時間を限度に時間外労働及び休日労働をさせることができますが、働き方改革関連法による労働基準法の一部改正に伴い、原則として、月45時間、年360時間を限度に時間外労働をさせることのできる時間数を定めなければなりません。ただし、臨時的な特別の事情がある場合には、特別条項付き36協定を締結することにより、年720時間以内、1か月100時間未満(休日労働を含む)、2か月~6か月各月平均80時間以内(休日労働を含む)を限度に労働させることができます。この場合でも、原則である月45時間を超えることができるのは年6回が限度となります。
 この36協定の適用に関して、自社で直接雇用している従業員の時間外労働及び休日労働については、当然、その事業場で締結されたものが適用されます。しかし、出向元企業と雇用関係にある在籍出向者については、出向元と出向先のどちらの36協定の適用を受けるのかという問題があります。在籍出向者の雇用関係は出向元にあるものの出向先の指揮命令を受けて出向先で就業しているので、出向先の36協定が適用されることになります。従って、出向先で36協定が締結されていなければ、出向者は出向先において時間外・休日労働ができないことになります。また、出向先が36協定の締結・届出をしていれば、その限度で出向先の命令により時間外労働または休日労働をさせることができることになります。
 出向先は、従業員の過半数で組織する労働組合または当該労働組合がない場合は従業員の過半数代表者と36協定を締結するにあたり、出向者をこの「過半数」に含めなければなりません。
 また、出向者について、出向元と出向先とで36協定の内容が異なるときには、双方の間で締結する出向契約書に時間外労働及び休日労働に関する特段の取り決めがない限りは、出向元における時間外労働の実績にかかわらず、出向先の36協定で定める範囲で時間外及び休日労働を行わせることができます。
 なお、労働基準法上、労働時間は事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算することとなるので、月の途中で出向してきた場合などは、出向元における時間外労働と出向先における時間外労働は通算することになります。従って、例えば、前述の時間外労働限度(月45時間、年360時間)は、出向元での時間外労働及び出向先での時間外労働を通算して適用されることに注意しなければなりません。

\今月のポイント/

在籍出向者は、出向先の36協定の適用を受ける。従業員の過半数代表者と36協定を締結する場合、出向者をこの「過半数」に含めなければならない。出向元における時間外労働と出向先における時間外労働は通算して、法律の上限規制の適用を受ける。

「8時間労働」の起源

労働基準法による法定労働時間は週40時間以内、1日8時間以内です。この「1日8時間」は国際条約でも定められており、「人は1日8時間働く」というのが世界的に見ても原則になっています。その起源はどこにあるのでしょうか?
 産業革命当時のイギリスの労働時間は1日10数時間にも及んでいたとのことですが、その後、労働者の健康や生産性の低下が問題視され、労働時間の法規制に着手。1874年に平日の労働時間を1日最大10時間とする法律が定められました。
一方アメリカでは1886年5月1日に、ニューヨークやシカゴなどの大都市で、労働者が8時間労働制を求める大規模ストライキを実施。これがメーデーのきっかけと言われています。そしてこれに刺激を受ける形で1890年5月1日に世界規模の労働運動が展開されました。これらの運動のスローガンが「仕事に8時間、休息に8時間、自分のやりたいことに8時間」というものでした。これは「8時間労働の歌(Eight Hours)」として歌われるようになったと言います。これらの動きの後に、1919年に国際労働機関の第1回総会で「1日8時間、1週48時間」が基準化されました。
 現在多くの国でこの基準が採用されていますが、例えばフランスは「週35時間」が法制化されており、短くなることはあっても長くなる流れは見られません。これまで時間外労働で上限規制のなかった日本でも、今年4月に中小企業を含めて上限規制が施行されるようになりました。メーデーを迎える5月は、労働時間の短縮を求めて運動を起こした100数十年前の人々の思いを想像してみてはいかがでしょうか?

【五月病対策を】

 新年度=新生活スタートから1か月。大型連休を挟んだ5月は、精神的なバランスを崩す、いわゆる「五月病」の季節でもあります。2018年4月にチューリッヒ生命が実施したアンケート調査によると、過去に五月病になったことがあると答えたのは男性21.6%、女性25.0%という結果となりましたが、特に20代の女性は39.2%と、約4割ののぼりました。ちなみに女性は年代が高くなるにつれて割合が下がっていくのに対し、男性は30代(28.0%)が最も高く、次いで20代、50代と続き、40代男性は13.6%と非常に低くなっています。職場での各年代ごとの立場の微妙な違いが関係しているかもしれません。労災防止のためにも、企業全体として社員の五月病対策、ストレス対策に取り組みたいところです。

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