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2019年8月号

制度
昨年4月に厚労省がまとめた労使双方のメリットと留意点を考えます
副業・兼業の促進に関するガイドラインの内容

働き方改革の一環として、副業や兼業を一定条件を満たせば認める企業が増えてきました。労使双方にとってのメリット、制度導入に際しての留意点はどこにあるのか。厚労省が昨年発表したガイドラインをもとに考えます。

 2019年6月にみずほフィナンシャル・グループは副業・兼業を認める人事制度を今年度中に導入する方針であることを明らかにしました。例えば勤務は週3日とし、副業・兼業を認めるという内容です。このことからも、副業・兼業への各企業の関心が高まってきていることがわかります。副業・兼業の促進について、厚生労働省が発表したガイドラインを紹介します。

1. 副業・兼業の現状

 副業・兼業を希望する人は年々増加傾向にあります。理由は自分がやりたい仕事であること、スキルアップ、資格の活用、十分な収入の確保など様々です。多くの企業では、副業・兼業を認めてはいませんが、企業が副業・兼業を認めるにあたっての課題と懸念は、自社での業務がおろそかになること、情報漏洩のリスクがあること、競業・利益相反になることなどが挙げられています。また、副業・兼業にかかる就業時間や健康管理の取扱いをどうするべきかが分かりにくいとの意見もあります。

2. 副業・兼業促進の方向性

●労働者のメリット

 離職しなくても別の仕事ができ、スキルや経験を得ることでキャリアを形成することができること。本業の所得を活かして、自分がやりたいことに挑戦ができ、自己実現を追求することができること。本業を続けつつ、よりリスクの小さな形で将来の起業・転職に向けた準備・施行ができることなどが挙げられています。

●労働者の留意点

 就業時間が長くなる可能性があるため、労働者自身による就業時間管理や健康管理も一定程度必要なこと。職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務を意識することも必要です。

●企業のメリット

 労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができること。労働者の自律性、自主性の確立が期待できること。優秀な人材の獲得、流出の防止ができ、競争力が向上すること。労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事業機会の拡大につながること、などがあります。

●企業の留意点

 双方の業務に必要な労働時間の把握・管理や健康管理への対応、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務をどう確保するかという懸念への対応が必要です。

3. 企業・労働者の対応

 企業は、労働者と十分にコミュニケーションを取ることが必要です。労務提供上の支障や企業秘密の漏洩などがないか、また長時間労働を招くものとなっていないか確認する観点から、副業・兼業の内容を労働者に申請・届け出をさせることも考えられます。労働者の場合は、勤務している企業の副業・兼業に関するルール(労働契約や就業規則)を確認し、双方が納得感を持って進める必要があるでしょう。

4. 副業・兼業にかかわる保険について

 労災保険の支給は、災害が発生した就業先の賃金分のみに基づき算定します。通勤災害については、事業場間の移動で起こった場合は、移動後の事業場の保険関係で行います。

 雇用保険は、労働者が生計を維持するために必要な主たる賃金を受ける雇用関係についてのみ被保険者となります。

 社会保険については、事業所ごとの判断により、被保険者の要件を満たすかを判断します。満たす場合は二以上事業所勤務届の提出が必要になります。

行政職場のハラスメント対策が強化された!
パワハラ対策の義務化とセクハラ対策の強化

労働環境の劣化、悪化を招く各種ハラスメントについて、対策を強化する労働法制が整備されてきています、5月に成立した改正法で事業者に何が義務づけられたかを概観します。

 

月29日、「女性の職場生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律」(女性活躍推進法)が可決・成立しました。この中に「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(労働施策総合推進法)が含まれており、以前から議論のあったパワハラ防止が法制化されるとともにセクハラ防止に対しても規則が強化されました。

パワハラの現状と法整備の背景

 都道府県労働局における職場のいじめ・嫌がらせに関する相談は増加傾向にあり、2012年度以降、全ての相談の中でトップとなっています。2018年度は82.787件と相談件数全体の25.6%を占めており、引き続き増加傾向にあります。また、嫌がらせ、いじめ、暴行を受けたことによる精神障害の労災認定件数も増加傾向にあり、2017年度においては、88件となっています。

 職場のパワーハラスメント(以下、ハラスメントという)は、相手の尊厳や人格を傷つける許されない行為であるとともに、職場環境を悪化させるものです。

 放置すれば、パワハラを受けた労働者は仕事への意欲や自信を喪失し、心身の健康を損ない、ときには自殺など命すら危険にさらす恐れもあり、撲滅していかなければならない問題です。企業にとっても職場の生産性を低下させ、経営上大きな損失にもなります。

 職場のパワハラの防止についてはこれまで、2011年度に厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議(ワーキング・グループ)」による提言がなされて以降、企業や労働組合等はそれぞれの対立場から対策に取り組むとともに、厚生労働省においてワーキング・グループも様々な取組みを実施してきたところです。

 また、「働き方改革実行計画」(2017年3月28日働き方改革実現会議決定)において、「職場のパワーハラスメント防止を強化するため、政府は労使関係者を交えた場で対策の検討を行う」とされたことを踏まえて、2017年5月から検討会が10回にわたって開催され、職場のパワハラの定義や実効性のある防止策について検討を行ってきました。

 今回の労働施策総合推進法の改正ではこうした背景を踏まえて、パワハラの要素を明らかにするとともに、労働者からの相談体制整備などの必要な措置を講じるよう事業主の義務および責務などを定めました。

パワハラ対策

 まず、国の施策として、「職場における労働者の就業環境を害する言動に起因する問題の解決を促進するために必要な施策を充実させること」(第4条第1項関係)と明記し、職場におけるハラスメント(セクハラ・パワハラ等)対策を促進させることとしました。

 また、パワハラ要素として、①職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であること、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものであること、③それによりその雇用する労働者の就業環境が害されることと定め、事業主に対して労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講ずることを義務付けました。したがって、会社としては、セクハラ防止対策同様にパワハラに関しても社内相談窓口に設置するなど何らかの相談体制を整備しなければなりません。また、労働者が被害相談をしたことなどを理由として解雇その他不利益な取り扱いにすることを禁止しました。

パワハラに対する、事業主及び労働者の責務

 そのほか、事業主の責務として、パワハラによる就業環境の悪化を防止するために、事業主(社長や役員)自らはもとより、労働者が他の労働者に対してパワハラにつながる言動をとらないよう、パワハラに関する研修の実施その他必要な配慮をするように努めなければならないこととされました。一方、労働者の責務として、労働者自らもパワハラに対する関心と理解を深めるだけでなく、他の労働者に対する言動にも注意を払うよう努めなければならないこととされました。

 なお、この法律は、大企業は2020年4月から施行。中小企業は同時期に努力義務でスタートし、2022年4月に義務化される見通しです。

セクハラ・マタハラ対策の強化

 セクシャルハラスメント(以下、セクハラという)は1999年施行の改正男女雇用均等法で事業主の配慮義務を定め、2007年から事業主に防止措置が義務づけられました。マタニティーハラスメント(以下、マタハラという)は2017年から同法と改正育児・介護休業法で事業主の防止措置が義務づけられています。

 今回の改正では、事業主に対して、セクハラ・マタハラに起因する問題について孫段下労働者に解雇その他不利益な取扱いをしてはならないことが明確にされました。また、自社の労働者が取引先などのほかの事業場においてセクハラ問題を起こした際において、被害者側の事業主から事実確認等の協力を求められた際には、これに応ずるように努力義務が課せられました。

 また、前述のパワハラ同様に、事業主の責務として、労働者のセクハラへの理解を促進するための研修等の実施に関する努力義務、労働者の責務としてセクハラに関する理解を深め他の労働者に対する言動に注意を払う努力義務が課せられました。

飲食店の倒産・休廃業が加速
  2018年度は東日本大震災時を上回る

 帝国データバンクの調査によると、2018年度の飲食店の倒産、休廃業、解散の件数は1180件で、前年度比7.1%もの増加。2000年度以降では最多で、東日本大震災のあった2008年度(1113件)を超える件数に達しました。ただ倒産は657件と前年度比6.3%減で2000年度以降では4番目に多い数字なのに対し、大きく増えたのは休廃業や解散で、前年比30.4%増の523件と、2000年度以降で最多となっています。

育児休業取得者割合、女性が微減
  男性は増加するも政府目標には倍以上の開き

 厚生労働省が「平成30年度雇用均等基本調査(速報版)」の結果を発表しました。育児休業取得者の割合は女性82.2%(対前年度比1.0ポイント低下)、男性6.16%(同1.02ポイント上昇)。女性は、ピークだった平成20年度の90.6%に比べればここ数年落ち着いています。保育施設や親に預けるなど休業以外の選択肢の広がりも反映しているようです。一方男性は増えたといっても未だ1割に満たず、令和2年までに13%という政府目標にはまだ倍以上の開きがあります。

小規模企業振興基本計画(第Ⅱ期)閣議決定
  事業主体の多様化と事業継続リスクへの対応能力強化が加わる

 小規模企業振興基本計画は、小規模企業振興基本法に基づき、2014年10月に策定された小規模事業者振興施策の総合的かつ計画的な推進を図るため定めるもの。このほど新たな変更点を加えた「第Ⅱ期」が閣議決定されました。ポイントは働き方改革に伴うフリーランスや副業者など事業主体の多様化への対応と、大規模災害の頻発を背景にした事業継続リスクへの対応能力の強化。これまでの「10の施策」に2つの施策が加わり「4つの目標と12の施策」となりました。

ILOがハラスメント対策で条約採択
  日本の批准の可能性は?

 今年が創立100周年のILO(国際労働機関)の総会が6月にスイスで開かれ、職場におけるハラスメント全般を禁ずる条約が採択されました。しかし日本の批准の可能性は現時点では低いと予想されています。ハラスメント行為そのものを法的に禁ずる条約に対して、日本の法制度では行為そのものを禁ずる内容になっていないというのが、条約と国内法との最大の齟齬になっています。ただ一方で、今回の採択を契機に批准に向けた国内法整備の動きが進むことも予想されます。

ハローワークを通じた障害者の就職
  新規求職申込数、就職件数ともに増加

 厚生労働省が2018年度のハローワークを通じた障害者の就職件数等について発表しました。それによると、新規求職申込件数は21万1271件で対前年度比4.5%増で、いずれも過去10年で最高となり、特に就職件数は10万件の大台を超えました。就職率は48.4%で、これは昨年から横ばいになっています。知的障害者、精神障害者の就職件数の増加が著しく、産業別では「医療・福祉」「製造業」「卸売業・小売業」の順となっています。

人口の自然減
  2018年は初の40万人突破

 厚生労働省が、2018年の人口動態統計の概数を発表。自然減(死亡数から出生数を引いた数)は44万4085人と初の40万人台となりました。死亡数約136万人は戦後最多。出生数約92万人は統計を取り始めた1899年以降最小でした。人口減の加速は進み、国連人口部の今年6月の発表によると、日本の人口は2058年に1億人を下回ると予想されています。国連による前回調査(2017年)時の「2065年に1億人を下回る」との予測がさらに早まったことになります。

調査労働災害の発生状況に関する全国調査の結果がまとまる
高齢者や女性の労働参加が件数を押し上げ?

厚生労働省は6月、「平成30年労働災害動向調査」の結果をまとめました。労災の強度は相対的に弱くなってきていますが、件数は増加傾向にあります。背景には高齢者や女性の労働参加があるようです。また降雪量が増えると件数も増えることが指摘されています。

高齢者の労働参加が原因?労災の件数は増加傾向に

調査結果を見ると、死亡や長期入院などに結び付く重大な労働災害は減っているものの、労働災害自体は全体として増えている傾向が見て取れます。詳細は以下の通りです。これらの数値はいずれも事業所規模100人以上の事業所を対象にしたものです。

●件数は増加したが重篤なものは減った

この調査は主として3つの数値を使って2018年の労働災害の傾向を分析しています。

 まず「度数率」。これは100万延べ実労働時間当たりの労災死傷者数で、労災発生の頻度を表しています。2018年はこの数値が1.83(漁業を除く)と、前年(1.66)より0.17ポイント上昇しました。

 次に「強度率」。これは1000延べ実労働時間当たりの延べ労働損失日数で、2018年は0.09(漁業を除く)となり、これは2017年と同じ数字です。

 さらに、死傷者1人当たりの平均労働損失日数は50.5日(漁業を除く)となり、前年の55.0日から4.5日減少しています。

 以上の結果からわかるのは、労災の頻度(件数)は相対的に増えた一方で、労働損失時間は全体としては横ばい、死傷者1人当たりでは減少しているということです。重篤な労災が少なくなる一方で、軽微な労災は相対的に増えている傾向が浮き彫りになっています。

●無災害事業所の割合は減少

年間を通して労災のなかった「無災害事業所」の割合は56.4%となりました。これは昨年の58.1%から1.7ポイント減少した数値です。前述の度数率の変化が示すのと同じように、ここでも件数そのものが増えている傾向が見て取れます。

 厚労省の担当部署によれば、この背景には高齢者や女性の労働参加があるということ。特に転倒事故が増えているのが特徴で、足腰の弱い方が労働現場へ参加している実情が見て取れます。また労働災害は悪天候、特に降雪量との相関関係が見られる傾向があるらしく、2018年は豪雪に見舞われたことが、件数を押し上げたと推測されるとのことです。

●「度数率」が高いのは一次産業とサービス業

業種別で見ると、「度数率」が高いワースト3は「農業・林業」(6.28)、「漁業」(5.46)、「生活関連サービス業、娯楽業(洗濯業、旅行業及びゴルフ場に限る)」(4.90%)の順。建設業、製造業などは度数率はそれほど高くなく、これらの現場では労災対策が他の業種よりも先行していることが分かります。

 ここはどうなる?働き方改革 QA  
【今月の相談】産業医への情報提供はどうすべきか?

Q当社は、従業員数70人程度の会社です。外部に産業医をお願いしていますが、十分な連携は取れていませんでした。法改正により産業医への情報提供が義務化されたとのことですが、どのような対応が必要となるでしょうか。

A労働安全法上、常時50人以上の労働者を使用する事業場は、産業医を選任しなければならず、常時1000人以上の労働者を使用する事業場においては、専属の産業医を選任しなければなりません。

 産業医は、事業場における労働者の健康・安全・衛生を守るために、医学的な専門知識を有する立場から必要な指導・助言を行うことを職務としています。具体的には職場巡視による職場環境の確認、労働者の健康診断の結果に基づく就業判定及び事業者への意見、長時間労働者の面接指導、健康相談などがあります。

 働き方改革関連法成立に伴う労働安全衛生法の一部改正により、2019年4月から産業医の役割が拡充し権限が強化され、事業者は産業医に対して以下の情報を提供しなければならないことになりました。

①1ヵ月当たりの「時間外・休日労働時間」が80時間を超えた労働者の氏名及びその労働者の超えた労働時間に関する情報

②労働者の業務に関する情報で産業医がその労働者の健康管理に必要と認める情報

③健康診断、長時間労働者に対する面接指導、ストレスチェックに基づく面接指導などの実施後に既に講じた措置、又は講じようとする措置の無いように関する情報(措置を講じない場合は、その旨・その理由)

 ①は、「時間外。休日労働」が1ヵ月当たり80時間を超えた労働者がいない場合であっても、該当者がいないという情報を産業医に提供しなければなりません。また、労働基準法上、労働時間・休憩・休日の適用が除外となっている管理職も例外ではないことに注意しなければなりません。なお、これらの情報の提供方法としては、書面によることが望まれています。

 ②は、労働者の作業環境、労働時間、作業対応、作業負荷の状況、深夜業等の回数・時間などのうち、産業医が労働者の健康管理等を適切に行うために必要と認めるものが含まれます。提供すべき情報の具体的な内容は、事業者と産業医で相談しておくことが必要でしょう。

 これらの情報の提供も、書面により行うことが望まれていますが、磁気テープ、磁気ディスク、電子メールにより提供する方法でも差し支えありません。また、産業医に提供した情報は記録・保存しておくことが望ましいとされています。

 また、産業医を選任した職業場は、その事業場における産業医の業務の具体的な内容、産業医に対する健康相談の申出の方法、産業医による労働者の心身の状態に関する情報の取扱の方法を労働者に周知しなければならないことになりました。具体的には、各職場の見やすい場所に提示する方法、各労働者に書面で交付する方法、ポータルサイト等で労働者が常時確認できる機器などを設置する方法のいずれにより周知しなければなりません。

\今月のポイント/

時間外労働80時間超の労働者の氏名等を

産業医に報告する義務がある。

提供すべき情報の具体的な内容を、産業医との間で十分に調整する。

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